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時代にあった山登り

11月24日、西地区の決勝が行われ、私達は1つの山を登りきることができた。

前途多難な大会ではあったが下級生中心ながら見事に優勝することができた。

アレセイア湘南バスケットボール部は2年生も1人いるが、その人物はバスケットボールを初めてまだ、1年と半年しか経っていない。

しかし、彼の成長は半端ではない(いつか彼を紹介しよう)。

そして、けが人、人数不足、練習場所の確保、エース不在、このような中での勝ちに非常に大きな価値をもたらすことができた。

このような中で試合をしなければならない不安。しかし、その反面、ワクワク感も大いにあった。

ワクワク感はどこから来るのか・・・。

それは紛れもない私達の自信からである。

ものすごい練習をしているかというとそうでもない。

ものすごいきつい練習をしているかというとそうでもない。

テスト期間もやっているか、いや、休みだ。

ただ、1つ言えることはこの練習で、この時間で何を習得するか、1回1回のゴールを見据えて練習していることだ。そして、どのような価値を勝ち取るかにフォーカスをしていることだ。

練習では価値を勝ち取る。試合では勝ちを価値取る。

ここが違うところだ。

うちのフリースーローの練習では落としてもペナルティーはない。

しかし、決勝では25分の24の記録的確率。

罰を与える練習に意味はないことを証明した。

自ら動こうとする練習に本当の意味がある。

それが今の時代に適した指導なのである。

アレセイアの練習は基本ランダム練習である。試合中、次の展開というものはなかなか読むことはできない。何が来るかわからない。よって練習も次の練習がなんであるかわからないようにすることで適応力が自然に身につくのである。

試合で最も必要な能力は適応力、対応力なのである。

常にそのような状態にすることで試合と全く同じ状況を作り出すことができる。

最短、最小で最大の結果を得る、まさしく今の時代にあった活動を私達はしている。

それにプラスしてコンディションに注意を払っているので試合中皆体がよく動く。

コーチとして動きすぎる彼らをどう止めるかが私の仕事にもなっている気がする。

現代の子供たちは楽しいこと、楽しいもの、などはすぐに手に入る時代にいる。

昔はものがなかったから我慢が必然的に必要になっていたのである。

しかし、今の子どもたちはその我慢というものを必要としない時代にいる。

ある一定の我慢は必要であるか昔ほど必要はない。

必要ないにもかかわらず我慢を強いるのは時代に逆行しているのではないであろうか。

楽しいこと、面白いことに関しては現代の子どもたちは予想以上に力を発揮する。

それが今の時代なのだ。


決勝の相手、湘南テック戦は私の母校。

データ上ではすべての面で湘南テックの方が上回った。

勝因はフリースーローが25分の24だったということ。

この得点は非常に大きい。

NBAでもなかなか出ない数値である。

おそらく神奈川県バスケットボールにおいて私の中では過去最高であろう。

(ちなみに10年前に鎌倉高校女子のコーチをしていた時に地区大会で23本の3Pを決めたことも記録である)

フリースローをもらうことは非常に大きい。

それは時間が止まっている間に得点が増えていくからだ。

今回の試合、試合に負けて勝負に勝ったという表現が適しているだろう。

勝った時間帯は4Qの残り5分の時間帯のみである。

リードを奪いそのリードで逃げ切る。

積極的なアクションと積極的な逃げ、これを5分で見事遂行し勝ちをもぎ取ったのである。


楽して結果を得ることに抵抗を持つ人は多いことであろう。

受け入れられない人も多いことであろう。

しかし、くアレセイア湘南バスケットボール部は知恵と知識を活用してこれからも最短で結果をつかみにいく。

それが結果的に社会に出た時にいかされるから。

選手の将来に貢献するためにも私は時代に適した行動をこれからも取るであろう。

1月からの山登りのために今私達は麓にまた集合している・・・。


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